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産業医の委託料の経理・税務処理

産業医の選任が必要になった場合の、その委託料の経理処理はどうすればいいのでしょうか?

 

産業医とは一定規模以上の事業所で選任しなければならないとされている労働者の健康管理に当たる医者のことです。(労働安全衛生法)

 

産業医の委託料は、その産業医が開業医(個人事業主)か医療法人(法人)かにより区分されます。

 

開業医なら給与となり、医療法人なら、その病院から産業医として派遣してもらうことの対価となります。

 

よって、開業医であれば原則、給与収入として、源泉徴収が必要になり、消費税は不課税となり、

 

医療法人であれば委託料として、医療法人の課税の対象になり、源泉徴収は不要ですが消費税は課税となります。

 

 

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ところが実務上では、開業医と契約する場合は、雇用契約に基づく給与で源泉徴収するべきか、委託契約に対する報酬で源泉徴収不要とするべきかという問題で悩まれる経理担当者が多いようです。

消費税にも影響があるのでなおさらです。

 

判断の拠り所となる産業医契約についてですが、

民法上、他人の役務の利用を目的とする契約形態には3つあります。

①雇用契約・・・仕事をさせるために有償で人を雇うこと

②請負契約・・・請負人が仕事の完成を約し、注文者が報酬を支払うことを約することにより成立します。諾成・双務・有償の契約です。

③委任契約・・・ある法律行為をしてもらうことを委託し、その委託を受けることを承諾することによって効力を生じる契約です。

 

①と③の違いは、①は会社の指揮命令に従いますが、③は受任者が裁量で事務を処理する、つまり、独立性がある点です。

 

②と③の違いは、②は仕事の完成を契約の目的としていますが③は違います。

 

産業医との契約には、雇用契約と委任契約の2つがあるでしょう。

 

雇用契約では、労働時間に応じた給与、有給、社会保険がありますが、会社の指揮命令に従い、場所・時間など拘束されます。

 

委任契約では、労働時間に応じた給与、有給、社会保険はなく、業務遂行は開業医の裁量に任せられています。

 

このように考えると、通常の嘱託産業医は、委任契約ということになるでしょう。

 

実際には、契約時に開業医と話し合いで、報酬、勤務時間、事故の保証、契約期間など自由に決めることになります。

 

ただ、国税庁の質疑応答事例では、下記の通り、開業医の委託料は原則給与となっています。

 

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/13/01.htm

 

国税庁の見解通り、給与とするならば、扶養控除申告書の提出があれば甲欄、なければ乙欄により源泉徴収することになります。

通常は乙欄になるでしょう。

 

つまり、給与ということで乙欄による多めの源泉所得税を取られます。

ただ、給与は給与所得控除という概算経費が認められています。

たいていのケースでは、報酬よりも給与の方が開業医にとって有利になると思われます。

 

 

なので、

会社と産業医が給与だと判断すれば、国税庁は給与だという見解なので給与として取り扱えばいい。

 

逆に、会社と産業医が報酬だと判断すれば、税務調査時にどういう根拠で報酬にしているか説明できるよう対応を取っておくことが必要になるでしょう。

 

 

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